保全管理人との会見記録 (2007年11月10日20:20)
※G社・・・ジーコミュニケーション
 
1.保全管理人 高橋弁護士からの説明
 東畠弁護士、あと4人の若い弁護士とともにNOVAの件を担当されています。
 
2.NOVAが破綻した経緯
 NOVAはとてつもないような無謀な拡大路線とNOVAうさぎを含めた莫大な広告費で成長した会社で、年間100億の家賃と年間170億の宣伝費を費やしていました。その資金は、長期の3年契約のノルマを課し、そのお金でまわしていました。
  6月に経済産業省から一番長い3年契約の停止命令が出たため、解約が殺到し、信用不安に陥りました。破綻するまで、1ヶ月20億の維持費がかかるのに、収入が10億しかありませんでした。本社なども全て賃借のため、不動産はありません。現預金もありません。
  猿橋個人がいろんな金策に走っていたのは事実ですが、それがどうにもなりませんでした。
  そこで役員3人が、クーデターをおこし、更正法を申請しました。この3人は、登記上は役員ですが、会社の中では、次長次長課長です。そこから上の部長や常務・専務はこの会社にはいません。社長一人で、その次のトップは全て次長クラスで、各人は自分の担当していることしか知りません。役員会議などもなく、個人商店が大きくなっただけのような会社でした。申請を出したときには、1日分の経費もないような状況でした。
 
3.スポンサー決定の経緯
 保全管理人に就任したときに、経済産業省に行き、経産省にも責任があると意見を申し上げました。
  受講生の前払いのポイント・チケットは全部合わせて約570億円。保全管理人としては、労働者と受講生の保護を熱心にやってくれるスポンサーを募集しました。
  12社ありましたが、570億ある借金を返すという企業は1社もありませんでした。国は民間消費者に国のお金を使うなんてありえないという態度で、一切お金を出しません。スポンサーも民間企業、営利企業です。たとえ半額の285億を返したとしても何も残らないのです。
  生徒の先払い債務については、一般更正債務(注釈1)だと考えていますという返答ばかりでした。ではNOVAには企業価値があるから、たとえ半分、3割出してもそれだけの企業価値があるなら、儲かるという話ですが、今のNOVAには企業価値はほとんどありません。財産は生徒さんと従業員、外国人講師だけです。これを維持するには人件費が年間18億もかかるのです。NOVAの今の企業価値はゼロに等しい。
  生徒さんを救済するために格安のサービスを提供すると、人件費も出ないのです。その上で、例えば150億を返すための資金にあてれば、大赤字です。普通こういう場合は、更正法を申請してから3ヶ月から半年をかけて受け入れ先を探すのですが、保全後も毎日家賃や人件費がかかるため、資金が持ちません。だから大急ぎでやる必要がありました。上場企業は、役員会を行い、決議を取りとなかなか決まりません。
  決断が早いのはオーナー企業か外資系の投資ファンドですが、投資ファンドにこの会社を移すとまた売ってしまうかもしれない。決して従業員や生徒のためになりませんから、投資ファンドははずしました。そんな中でG社のご提案は、25%というサービスの額としては破格の安さでした。
  スポンサーが見つからなければ、破産になり、従業員も全員解雇です。皆さんの負債も一般小取引で何の保護もない、一般破産債権です。負債があわせて1000億くらいに対し、資産は1億くらい。国税の滞納を払って、従業員の負債のほうが、生徒さんのものより優先権があるので、それを払えば、1円も残りません。給料も出ない。それよりは生徒さんに授業を受ける権利を与える方が、役立つだろうと裁判所と相談して決めました。
  それからお茶の間留学もこれもご心配いただいたかもしれませんが、ややこしい株の売買は11月6日に私が行って全て取り返してきました。ギンガネットの株の所有者は100%NOVAということで取得者の方と話し合いまして、取得時の金額で利益なしで譲っていただきました。ですからNOVAが100%株主です。これでお茶の間留学の体制もできました。
  駅前留学、NOVA KIDS、お茶の間留学、全てができる体制を整えたので、これでやっと合意ができたわけです。
 
4.ジーコミュニケーションの条件
 経営者は38歳。愛知大学院をでて、役所に勤めて、塾をやりながら年商500億です。 そういう中で最大限の努力をしていただくということで合意しました。
  25%は、2重負担になります。ただ前払いではなく、月謝制です。今までのNOVAのサービスが1ヶ月1万円であれば2500円で、残ったポイントに換算して100%を25%でずっと受けていただいて結構ですというご提案でした。ただその条件として、債務は引き継ぎませんというものでした。
  それでも結局赤字でやるわけです。25%の月謝で、人件費ばかりかかるのですから、決して黒字にはなりません。先行投資で赤字でやってもらう、これが我々保全管理人がこの短期間で得た精一杯の条件です。
  中途解約のお金は返ってきません。これははっきり言っておきます。前払いの授業料は解約しても返ってきません。中途解約の人はその契約を撤回して、もう一度授業を受けたいといえば、同じ条件の25%で平等に扱われます。
  ではいつからの解約が対象になるのか、これはスポンサー側と調整を進めています。今月末には30校、200校体制は1年以内ということで申し上げておりまして、その候補をリストアップしています。これは全国です。朝日新聞が誤って報道しましたが、これは全くの間違いです。講師も原則的に希望者は全員雇用します。
  当初、30校だとほとんどの人が余りますが、前のように予約が取れない状況にしてはいけないと、厚い人材でやっていきたいとのことです。採用した日から給料も支払いますと言っています。
  皆さんに格安の値段で、何年かかるかわからない授業を提供しなければならない。だからせめて月謝で25%を払ってもらわないと、このスポンサーが倒産してしまうという状況下で、ご決断していただきました。我々としては引き出せる最大限の条件がこれでした。
  また30校体制では、あの従業員が持たないんです。ですから早くたくさん開かないと、彼らも負担が大きくなっていくばかりなんです。1年で200校といわれていますが、前倒しでやっていくつもりだと思います。
  それとお茶の間留学の設備を私どもが全部保全をしましたから、だから新規入学で、25%の月謝制でいいですねと仕切りができれば、技術的には明日からでもできます。ややこしい株の問題も解決してます。ただ5万人のお茶の間留学の生徒さんに一人ずつ話をするのに手間がかかりますから、技術的にはあるけれど、再開は駅前の方が早いかもしれません。
注釈1)一般更正債務・・・ 仮に更正法等で破産した場合、税金や賃金など優先債務の中で、一番あとの、あまりがあれば返すという 後回しにされる債権
 
5.質疑応答(・・生徒の会 高橋・・保全管理人(敬称略))
生: ジーコミュニケーションさんとの条件ですが、現状今残ポイントが残られている方に対して、例えば200ポイントだったとすると、その200ポイントを換算した分に対しての25%なのか、新たに購入する分の25%なのかどちらでしょうか?
高橋: その辺はまだ詰められていません。また有効期限がありますが、それが教室が少なくなった理由でつかえなかったというのなら、当然期限を延ばさないといけないです。
生: 何の情報もなく、いろんな情報が交じり合って混乱している中であの6日の発表で、また混乱するといった状態になったのですが、そのあたりの経緯に問題があったのではないか?
高橋: 本来は、猿橋氏が出て、説明して謝って自分の資財を全部提供しますと、しかるべき対応をしなければならないのですが、彼は弁護士の影に隠れて全く出て来ませんから、彼の責任追及としては、保全管理人としては法律上の損害賠償の査定の申し込み、それからどうも金の流れがおかしいというのであれば、特別背任など刑事事件も含めてこれから検討しているところです。
生: 先ほどの質問の中で経緯が見えなかったというのがあるのですが、今後に情報の開示をしていただきたい。
高橋: 実はスポンサーを決めるのは極秘裏にやらないと、マスコミもれると、それだけでつぶされてしまいます。だからどんなに聞かれても一切公表しませんでした。今後は情報を公開することがおたがいのメリットになりますので、裁判所の許可を得た段階でお伝えしていきます。
生: 6日の発表があった段階で、ジーコミュニケーションさんのHPにNOVAの生徒さんへというコメントが出たのですが大変抽象的で、混乱に陥りました。
高橋: HPの舞台裏を言いますと、原稿を書いて、我々がチェックをし向こうがOKを出し、経産省や厚労省から修正が入り、真夜中に修正をかけて出来上がったものを見たら、何がなんだかわからないものになっていました。今日のご意見は先方にきっちり伝えます。
生: 例えば月謝制だとか回数どうなるのかとか、ボイスはどうなるのかとか、他の言語はどうなるのかとか、このあたりが表に出ていないので、そのあたりをきっちりしていただきたい。
高橋: 引き受ける側としてはすごく慎重になっています。打ち出して発表したは、できなかったでは済まされませんから、どうしても個々まで言いたいけれどいえないというのはあります。多国語の先生も全て引き受けます。ボイスについても、これはNOVAの売りである。これは授業じゃないんだからとボイスルームもちゃんと確保しなければならない。NOVA KIDSについてもいろいろ意見を聞きました。やっと普通の会社になったと思います。
生: 今の料金体制などもつめている段階だとのことでしたが、今の書き方だと、誤解を生む部分があるので、逆にここはいまは決まってませんといっていただくほうが誤解もなくわかりやすい。
高橋: 今日のご意見は会長に伝えますが、ただ一点だけ理解していただきたいのが、まだ基本合意書を交わしていない(注釈2)ので、極めて厳しい交渉をしている面があります。明日、オーナーには皆さんのご意見はきちんと伝えます。
生: NOVAの生徒でNOVAが好きな人はすごく多い。確かに新聞などで悪い評判が多いのですが、やっぱり他の学校をみてもNOVAのシステムがあっているから通っているという人もいるのでその辺の方針をしっかり打ち出してほしい。
生: 成功する鍵は我々生徒を味方につけるかどうかということだと思うので、生徒を味方につけて生徒と一緒に進めていけば、成功は100%に近いと思うけれど、生徒にたいして何も情報を与えないなら離れていってしまって戻ってこない。逆に生徒に成功してほしいから手伝ってくれというのなら成功する確率はかなり高い。
生: 我々もそういった意味で協力をもとめられるのならば、協力もします。
高橋: 彼はそういったことを意気に感じる人で、生徒の声を聞いたら涙流してやりますというようなあつい人です。少なくとも今日お話した内容はオーナーには伝えますし、彼は喜ぶだろうし、落ち着いたら、私も参加したいというかもしれない。
生: 16日の我々の説明会に来てもらうことをお願いすることはできますか?
高橋: 我々も時間をやりくりしておりますので、こういう呼びかけがあったということをおつたえします。
生: 先ほどの交渉の経緯の中で、現状の30校の選択ができているのかどうかわかりませんが、半年から1年の間で200校開くということになるわけですが、逆にもうここはひらかないというところはあるのかというのと、その場合、ある程度の生徒と先生を集めれば、他の企業さんととの交渉はできたりするのでしょうか?
高橋: それは法律的な問題でNOVA商標やのシステムや教材が使えるのかというといろいろ問題があります。いろいろ著作権や商法の問題もあるので、可能性としては考えていますが、法律上かなり問題があります。
生: 解約した人や解約待ちの人に対しての具体的な対応はあるありますか?
高橋: 金銭的には難しいと思いますが、返金がまだという人で続けていきたいという人は受けられますが、どのへんまで受け入れるかという線引きをしなければならないと思います。
生: 解約したけれど、返金額が少ないとかいう人に対してはどうなのか。
高橋: 基本的に和解しているわけで、そういう人まで入れたらきりがない。それはどこか明確な皆さんが納得する線引きをしなければならない。Gさんにとっては皆さんはお客さんですから、その声は聞きたいと思います。
生: それは是非聞いていただきたいです。今までのNOVAはいいシステムを持っていながら、生徒の声を聞かなかった。次の会社に移行して、声を聞いてもらえるものならば聞いてもらいたい。
高橋: かれはフランクな人なので、かえってそれを意気に感じてやるひとです。
生: 私たちは今はここに集まっていますが、最近まで誰も知らなかったメンバーなので決して偏った意見になるとは思いません。
生: いろんなところで手を打たれているかと思いますが、猿橋前社長を引きずりだすのが法律的に難しいのならというか訴訟や第3者破産をおこすとかして、もしそれができたとして、それ自体が一般債権者まで戻るというのはむずかしいですか?
高橋: 彼の資産がいくらあるかがわからないので何ともいえないが、もし何百億とどこかに隠しているなら、あんな仕手筋とかに引っかかったりはしないのでは?社債とかも十一のような金の借り方をしていた。これは微妙な問題で、彼は一生懸命やったと主張しており、弁護士をつけて自分は刑事事件の被告になるようなことはしてないと言ってます。ただ我々としては事業譲渡し、生徒さんにもご納得いただき、お金が返らない以上は猿橋氏が何らかの形で責任を取らないと、この事件としては落ち着き悪いだろうと考えていて、動いております。詳細はまだ言えません。
生: 細かいことになるのですが、教育訓練給付制度を受けられていた方で、修了証明書がないと受けられないのですが・・・
高橋: 例えばあと1ヶ月で修了する生徒さんなどもいて、経産省、法務省、厚労省と我々は緊密に連絡を取っているのですが、厚労省が入っていて認めない。終わったこととして認められない。なので再開校の中で対象者は優先処遇ができないのか検討してます。
生: まだよくわかってない方がおられて、どこかできっちり説明する必要があると思うですが。
高橋: 通常は消費者に封書で送らなければいけないのだが、それだけで2400万かかるので、現在はホームページと報道を使っている。あらゆるチャンネルで伝える必要がある。オープンにできることはオープンにします。
生: ローン会社がNOVAが再開すると引き落としを始めるではないか?
高橋: 抗弁権などややこしい問題はあります。弁護士会に意見書を求めるなど弁護士会の説明会に行かれては。
生: 経産省は今回の事態を予測してなかったのか?
高橋: してなかったと思う。何でこんな、セーフティ・ネットも張らずに処分したのかと聞いたら「NOVAが大丈夫といったから」と言った。
生: 物理的場所的に無理な場合、特にNOVAキッズなどは補填できないか?
高橋: 金銭的な保証は無理です。
注釈2)11月13日、基本合意契約がかわされました。
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